ヒットの出る確率を表す「打率」
打者の成績は、打率の順に並んでいることが多い。
プロ野球の打撃成績を掲載している新聞やサイトは、主に打率の高い順に選手名が並んでいます。
以下は、2022年パ・リーグの打撃成績を表したもので、このような掲載に慣れている方も多いことでしょう。
打率とは「ヒットの出る確率」をいいますが、どのような計算で導かれるのでしょうか?(有名な指標のため、ご存じの方も多いと思いますが)
考え方と計算方法のおさらいを兼ねて、打率を紹介します。
打率を求める前に、分数のおさらい
打率は、安打数を打数で割り算して求めます。
割り算は分数で表すことが可能で、以下の公式で表すことが出来ます。
分数の下の数字を「分母」、上の数字を「分子」といいます。式は「分子÷分母」という意味です。
打率を求める
「打率」を求めるには「打数」を求める。
打率を求めるためには、以下の成績を確認する必要があります。
- 打席数・・・・・・シーズンで打席に立った数。
- 四球数・・・・・・四球を選んだ数。
- 死球数・・・・・・死球を受けた数。
- 犠打数・・・・・・送りバントを決めた数。
- 犠飛数・・・・・・犠牲フライを打った数。
- 妨害での出塁数・・打撃妨害・走塁妨害で出塁した数。
- 安打数・・・・ヒットを打った数。単打・二塁打・三塁打・本塁打を問わず、安打の総数。
A)~G)が分かると、「打数」を求めることができます。
〇打数とは、打席数から四死球・犠打・犠飛・妨害での出塁を除いた数です。以下のように算出します。
打数=打席数―四球数―死球数―犠打数―犠飛数―打撃妨害・走塁妨害での出塁数
=打席数―(四球数+死球数+犠打数+犠飛数+打撃妨害・走塁妨害での出塁数)
上記の中で「打撃妨害・走塁妨害での出塁数」は、年間に何度もあるプレーではないためか、打撃成績に記載がないことが多くあります。実際にNPB公式の計算式では除かれていますし、通常は四死球・犠打・犠飛を確認すれば求めることが出来ます。
打数を求めたら、打率の計算式に当てはめる。
打数を求めたら、下の式に当てはめて打率を求めることができます。
割り算の式で「安打数÷打数」と書くよりも、分数で表す方が意味を理解し易いのではないでしょうか?「ヒットを打つべき状況で、どのくらいヒットを打ったか」を目視で見ることができるからです。分数を習い始めたばかりでよくわからないという人も、何度も計算をしていくうちに身に付いてきます。そのとき改めで意味を振り返ると、より理解が深まることでしょう。
打撃成績表から打数と安打数を確認し、掲載されている打率が合っているか計算すると、楽しく勉強できるかも知れません。実際に筆者は昔やっていました。計算ドリルに疲れたらやってみることをお勧めします。
分子と分母
分数を習うとき、ほとんどの方が「 」とは、「“1”という数字を二つに分けたもの」と習いました。下のように、1個のリンゴを使って説明された人も多いことでしょう。
1つのリンゴをいくつに分けるかに例えてしまうと、打率の計算は少々ニュアンスが変わっているように感じられます。しかし、すべての打数でヒットを打てば「打率10割」となって打率の表記が「1.00」となりますので、意味が変わるわけではありません。詳細は、ここでは混乱の元になり兼ねないので省略します。
まとめ
分数での表現は、野球の成績を算出するときに理解し易くなります。電卓で計算するだけでなく、式を書いて理解を深めて下さい。野球が好きなら、きっと面白くなることでしょう。