英語で球場は何という?

野球と英語

英語で野球場を何という?

 

野球は英語に触れる機会が多い。

日本人なら、野球ファンでなくても野球用語を使った会話を耳にします。「アウト・セーフ・ストライク」等の用語は、何気ない会話に盛り込まれているのではないでしょうか?「この前の試験、ギリギリセーフで合格した」「紹介してもらった子、ストライクゾーンだった」など、野球用語が浸透しています。

そしてほとんどの野球用語は「英語で表現可能」という特徴があります。しかし反対に「英語だと思っていたら、実は英語ではなかった」または「正しい英語ではない」という用語もあるので、注意が必要です。

せっかくの英語に触れる機会、意味を紐解いて、楽しむと同時に知識を増やしてみてはいかがでしょうか?「野球ファン」が「野球用語の語源」としてインプットすれば、野球を観ているだけでアウトプットされます。そうすることにより、記憶にも残り易くなることでしょう。

 

野球場を表す英語

野球というスポーツは、専用の野球場でプレーするのが一般的です。そして野球はアメリカから入ったとされるスポーツ。そこで、まずは「野球場」を英語で何と呼ぶかをチェックしてみましょう。

野球場を表す英語には、主に次のような単語があります。

  • グラウンド(Ground)

→市営グラウンド、学校グラウンド、グラウンド整備など

一般的な言い方で、野球だけでなく屋外スポーツなら、試合会場や練習場を指すときに使う用語です。

その他にも色々な表現があります。プロ野球チームが本拠地にしている球場は、どのように呼ばれているのでしょうか?

  • 球場

→明治神宮球場・阪神甲子園球場

  • ドーム(DOME)

→ベルーナドーム・東京ドーム・バンテリンドーム・京セラドーム大阪・福岡PayPayドーム

  • スタジアム(STADIUM)

→ZOZOマリンスタジアム・横浜スタジアム・Mazda ZOOMZOOMスタジアム

  • パーク(Park)

→楽天生命パーク宮城

  • フィールド(Field)

→ほっともっとフィールド神戸・エスコンフィールド

※2023年現在の呼称

一言で球場といっても、これだけ多くの呼び方があります。全て球場を示す言葉ですが、全て同じ意味というわけではありません。微妙にニュアンスが違います。その違いはどこにあるのでしょうか?

 

グラウンド(Ground)

野球以外のスポーツでも使用する用語です。

英語の綴りは「Ground」。名詞・動詞・形容詞と、幅広い意味で使われますが、ここでは名詞に限定して紹介します。

ground:【名】土地・地面・運動場・用地・接地・水底・海底・分野・話題

用途の例

  1. Baseball ground:野球場
  2. fair ground : フェアグラウンド、ファールラインの内側を指す。
  3. grounder : 英語で打球の”ゴロ”を指す。
  4. Ground Temperature : 地面の温度
  5. frame ground : フレームグラウンド、電気製品を接地すること。(注:”設置”ではない)
  6. ground floor : 建物の1階
  7. forbidden ground : 触れてはならない話題

“1”、”2″はよく耳にする用語です。ですが”3”の「grounder」が「ゴロ」を表す英語というのを、意外に思う方も多いのではないでしょうか?日本では打球の質を表す用語について「ゴロ・フライ・ライナー」等が浸透しています。実は「ゴロ」という用語は英語ではなく、語源も諸説あり判明していないのです。アメリカ人に「ゴロ」と言っても通じません。「grounder」が正解です。

 

“4”は主に農業で使われる用語、”5″は電気の用語になります。”6″については、「地面」という意味から、建物の1階を指すというのも理解できます。(イギリス英語)

そして”7″の「forbidden ground」は、「触れてはいけない話題」という意味で使われます。

「forbidden」はネット上で見かける単語でもあり、サイトにアクセス出来ないときに表示されます。したがって、入れない「領域」という意味になります。

その他、ひき肉を「ground meat」といいます。これは「ground」が「細かくする」という形容詞の意味も持っているためです。

「ground」は、その他にも多くの意味があり、形容詞・動詞を含めるとキリがないほどです。

普段何気に使っている「グラウンド」は、色々な意味を持ち、様々な用途のある言葉でした。

 

 

ドーム(DOME)

屋根付き球場を「ドーム」と呼ぶのが浸透しているためか、人によっては球場を指す言葉に感じることもあるようです。しかし正確には「丸天井」や「半球状の屋根」を指す用語です。

綴りは「DOME」。屋根の形を指す名詞です。

DOME:【名】丸天井のもの・天球・円蓋

用途の例

  1. Domed stadium:屋根付き球場
  2. Lava Dome:溶岩ドーム・溶岩円頂丘

 

“1”は、その名の通りドーム球場を指し、“2”は地質学などで使用される専門用語です。日常会話としては「ドーム球場」を指すのが一般的なようですが、「丸い物体をイメージする言葉」として認識すると分かりやすくなりそうです。

 

 

 

スタジアム(Stadium)

球場の入り口やメインゲートなどに「〇〇STADIUM」と書かれているのを見かけることが多々あります。それだけ野球場としての意味が浸透した用語といえるでしょう。

綴りは「Stadium」。

stadium:【名】競技場・野球場・スタジアム

用途の例

  1. Baseball stadium:野球場

堅苦しい言い方をすると「屋外で大規模なスポーツ等のイベントを行うための建造物」という意味になります。重要なポイントは「観客席のある競技場」を指すということです。地方自治体が管理する「市営グラウンド」のような規模の球場には、客席無しの球場があります。定義として、これを「スタジアム」とは言いません。そう考えると、用語によってある程度の規模がイメージされてくるのではないでしょうか?

 

ちなみに、日本で浸透しているファッションのひとつ「スタジアム・ジャンバー(スタジャン)」は和製英語であり、アメリカでは通用しません。

正式には「letterman jacket(レターマンジャケット)」。「letterman」とは「学生スポーツの優秀選手」という意味で、優秀が上に、学校やチームの名前を服に表示することを許されたことが語源となっています。

 

パーク(Park)

近年「ボールパーク」という言葉を耳にします。楽天生命パーク・北海道ボールパーク等の名称で使用されています。

英語の綴りは「Park」。

Park:【名】公園・庭園・遊園地・競技場・駐車場

用途の例

  1. ball park:野球場
  2. Skate park:スケートボードやBMXを行う公園
  3. Safari park:動物を放し飼いにしている動物園
  4. Parking:駐車場

「Park」の語源は「広い場所」から来ています。よって、野球場や遊園地・公園・広い動物園などに使われる用語です。“1”の「ball park」は、球技であればどの競技でも当てはまりそうですが、一般的に野球場を指します。”2”は東京五輪で話題になったスケボーやBMXの競技場、“3”は動物を放し飼いに出来る程の大きな場所を指します。

しかし、そうなると“4”は、車を止めるスペースを表す言葉、あまり広い場所とは思えません。これは英国貴族が集会をする際、たくさんの馬車を止める必要がありました。そのために広い場所を確保したことが由来になっているようです。そうなると、日本でよく見かける数台置きの「コインパーキング」は、少々語源から離れているように思えます。もちろん間違いではありませんが。

 

 

フィールド(Field)

こちらも場所や土地の範囲を表す言葉として使われます。日本の球場では「ほっともっとフィールド神戸」「エスコンフィールド」で使用されています。

フィールドの語源は「野原」から来ています。「野球」という言葉は、正岡子規が「ベースボール」を「野ボール」に、さらに“中馬かのえ”が「野球」と訳しました。それを考慮すると、「野球場」を「フィールド」と呼ぶも納得できます。実際、野球用語にはどう使われているでしょうか?

英語の綴りは「Field」。

field:【名】野 場 田畑 牧草地 分野 領域

用途

  1. infield : インフィールド・内野(outfield : アウトフィールド・外野)
  2. fielder : 野手(infielder:内野手、outfielder:外野手)
  3. Field of Dreams : 夢の球場(翻訳アプリでは「フィールド・オブ・ドリームス」)
  4. field umpire : フィールドアンパイア・塁審
  5. fielding : フィールディング・守備・守備技術
  6. Battle field :  バトルフィールド・戦場
  7. Specialized field : 専門分野

“1”~”5″は、言わずと知れた野球用語。球場自体を表す他、プレーヤーのポジションや審判などの「関係者の立場」、またプレーそのものを表します。

“6”は「戦場」という意味、”7″の「Specialized field」は学問や職業の専門分野を指します。

まとめ

一言で「英語で野球場って何というの?」といっても、色々な表現があります。以上のことから、日本でもイメージや規模によって使い分けが行われていることが分かりました。多少、ニュアンスの違いはあるとしても「Ground」「Stadium」「Park」「Field」は、おおまかには野球場という意味を含んでいます。

しかし「DOME」に関しては、球場を表す用語ではありませんでした。

しかし2022年現在、プロ野球12球団中6球団がドーム球場を本拠地にしています。「〇〇DOME」というと、つい球場のことだと思っても仕方のないことかも知れません。

本格的な英語学習には物足りないかも知れませんが、野球を楽しむ豆知識として役立てて頂ければ幸いです。

 

 

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