外国人プロ野球選手の出身国で、一番多いのは?
最も多いのは”アメリカ”ではない
2025年、プロ野球外国人選手の出身国を調べてみました。最も多いのはドミニカ共和国です。調査前は、野球の本場アメリカかと思われましたが、意外な結果となりました。その他にもプエルトリコやキューバなど、野球が盛んな国から多くの選手が来日しています。最近では、台湾出身の選手も増えてきました。
国別の言語は?
NPB所属の外国人選手の言語圏を調べると、以下のようになりました。
※外国人登録選手91人。ただしドラフトで入団した外国籍の選手は対象外、外国人登録選手のみが対象です(育成契約含む)。
1位 スペイン語圏 55人
- ドミニカ共和国 28人
- キューバ 8人
- ベネズエラ 9人
- パナマ 4人
- コロンビア 3人
- メキシコ 2人
- プエルトリコ 1人(公用語は英語)
球団 | 外国人選手 | ポジション | 背番号 | 出身地 | 言語 |
読売 | バルドナード | 投 | 49 | パナマ | スペイン語 |
読売 | ライデル・マルティネス | 投 | 92 | キューバ | スペイン語 |
読売 | ルシアーノ | 投 | 035 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
読売 | ヘルナンデス | 外 | 42 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
読売 | ティマ | 外 | 013 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
阪神 | ゲラ | 投 | 00 | パナマ | スペイン語 |
阪神 | ペタンセス | 投 | 131 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
阪神 | アンソニー・マルティネス | 投 | 132 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
阪神 | ヘルナンデス | 内 | 95 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
阪神 | アルエナス | 内 | 133 | パナマ | スペイン語 |
阪神 | コンスエグラ | 外 | 134 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
横浜 | ディアス | 投 | 93 | ベネズエラ | スペイン語
(先住民語) |
横浜 | マルセリーノ | 投 | 107 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
広島 | ドミンゲス | 投 | 42 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
広島 | モンテロ | 内 | 95 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
広島 | ラミレス | 内 | 130 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
広島 | ファビアン | 外 | 61 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
広島 | ロベルト | 外 | 131 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
ヤクルト | オスナ | 内 | 13 | ベネズエラ | スペイン語
(先住民語) |
ヤクルト | サンタナ | 外 | 25 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
中日 | メヒア | 投 | 91 | パナマ | スペイン語 |
中日 | ランディ・マルティネス | 投 | 219 | キューバ | スペイン語 |
中日 | カリステ | 内 | 4 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
中日 | ロドリゲス | 内 | 95 | キューバ | スペイン語 |
中日 | モニエル | 外 | 220 | キューバ | スペイン語 |
SB | モイネロ | 投 | 35 | キューバ | スペイン語 |
SB | オスナ | 投 | 54 | メキシコ | スペイン語
(先住民語) |
SB | ヘルナンデス | 投 | 63 | ベネズエラ | スペイン語
(先住民語) |
SB | アルメンタ | 投 | 135 | メキシコ | スペイン語
(先住民語) |
SB | ロドリゲス | 投 | 156 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
SB | サルディ | 投 | 176 | キューバ | スペイン語 |
SB | ダウンズ | 内 | 4 | コロンビア | スペイン語
(先住民語) |
SB | アルモンテ | 内 | 175 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
SB | シモン | 外 | 144 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
SB | オスーナ | 外 | 173 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
日本ハム | ザバラ | 投 | 42 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
日本ハム | アリエル・マルティネス | 補 | 2 | キューバ | スペイン語 |
日本ハム | レイエス | 外 | 99 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
ロッテ | ゲレーロ | 外 | 97 | コロンビア | スペイン語
(先住民語) |
ロッテ | パラシオス | 外 | 139 | ベネズエラ | スペイン語
(先住民語) |
ロッテ | ソト | 内 | 99 | プエルトリコ | スペイン語
(公用語は英語) |
ロッテ | ポランコ | 外 | 22 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
ロッテ | マーティン | 外 | 138 | キューバ | スペイン語 |
ロッテ | アセべド | 外 | 140 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
楽天 | ヤフーレ | 投 | 89 | ベネズエラ | スペイン語
(先住民語) |
楽天 | フランコ | 内 | 23 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
ORIX | エスピノーザ | 投 | 00 | ベネズエラ | スペイン語
(先住民語) |
ORIX | マチャド | 投 | 42 | ベネズエラ | スペイン語
(先住民語) |
ORIX | ペルドモ | 投 | 59 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
ORIX | ディアス | 内 | 54 | コロンビア | スペイン語
(先住民語) |
ORIX | オリバレス | 外 | 36 | ベネズエラ | スペイン語
(先住民語) |
西武 | ラミレス | 投 | 56 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
西武 | ロペス | 投 | 116 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
西武 | セデーニョ | 内 | 40 | ベネズエラ | スペイン語
(先住民語) |
西武 | ガルシア | 外 | 124 | ドミニカ共和国 | スペイン語 |
2位 英語圏 25人
球団 | 外国人選手 | ポジション | 背番号 | 出身地 | 言語 |
読売 | グリフィン | 投 | 29 | アメリカ | 英語他 |
読売 | ケラー | 投 | 33 | アメリカ | 英語他 |
読売 | キャベッジ | 外 | 13 | アメリカ | 英語他 |
阪神 | デュプランティエ | 投 | 20 | アメリカ | 英語他 |
阪神 | ネルソン | 投 | 42 | アメリカ | 英語他 |
阪神 | ビーズリー | 投 | 99 | アメリカ | 英語他 |
横浜 | ジャクソン | 投 | 42 | アメリカ | 英語他 |
横浜 | ウィック | 投 | 62 | カナダ | 英語
(フランス語) |
横浜 | ケイ | 投 | 69 | アメリカ | 英語他 |
横浜 | バウアー | 投 | 96 | アメリカ | 英語他 |
横浜 | オースティン | 内 | 3 | アメリカ | 英語他 |
広島 | ハーン | 投 | 68 | アメリカ | 英語他 |
ヤクルト | ランバート | 外 | 39 | アメリカ | 英語他 |
ヤクルト | バウマン | 外 | 58 | アメリカ | 英語他 |
中日 | マラー | 投 | 93 | アメリカ | 英語他 |
中日 | ウォルターズ | 投 | 94 | アメリカ | 英語他 |
中日 | ボスラー | 外 | 24 | アメリカ | 英語他 |
SB | スチュワート (スチュワートJr) |
投 | 2 | アメリカ | 英語他 |
日本ハム | バーヘイゲン | 投 | 45 | アメリカ | 英語他 |
ロッテ | サモンズ | 外 | 42 | アメリカ | 英語他 |
楽天 | ハワード | 投 | 15 | アメリカ | 英語他 |
楽天 | ターリー | 投 | 20 | アメリカ | 英語他 |
西武 | ウィンゲンター | 投 | 45 | アメリカ | 英語他 |
西武 | シンクレア | 投 | 125 | カナダ | 英語
(フランス語) |
西武 | ネビン | 外 | 26 | アメリカ | 英語他 |
3位 中国語圏 9人
球団 | 外国人選手 | ポジション | 背番号 | 出身地 | 言語 |
読売 | 黄 錦豪
(ファン・ジンハオ) |
投 | 041 | 台湾 | 中国語
(台湾華語) |
SB | 張 峻瑋 (チャン・ジュンウェイ) |
投 | 153 | 台湾 | 中国語
(台湾華語) |
日本ハム | 古林睿煬
(グーリン・ルェヤン) |
投 | 37 | 台湾 | 中国語
(台湾華語) |
日本ハム | 孫易磊
(スン・イーレイ) |
投 | 196 | 台湾 | 中国語
(台湾華語) |
楽天 | 宋 家豪 (ソン・チャーホウ) |
投 | 43 | 台湾 | 中国語
(台湾華語) |
楽天 | 王 彦程 (ワン・イェンチェン) |
投 | 017 | 台湾 | 中国語
(台湾華語) |
楽天 | 蕭 齊(シャオ・チ) | 投 | 197 | 台湾 | 中国語
(台湾華語) |
ORIX | 陳 睦衡 (チェン・ムーヘン) |
投 | 017 | 台湾 | 中国語
(台湾華語) |
4位 チェコ語圏 1人
球団 | 外国人選手 | ポジション | 背番号 | 出身地 | 言語 |
読売 | フルプ | 外 | 037 | チェコ | チェコ語 |
4位 ポルトガル語圏 1人
球団 | 外国人選手 | ポジション | 背番号 | 出身地 | 言語 |
西武 | ボー (ボー・タカハシ) |
投 | 42 | ブラジル | ポルトガル語 |
実は、1番多いのはスペイン語圏
アメリカから日本に来る外国人選手が多いため、英語圏内の選手が多いと思った人も多いことでしょう。しかし、実際に調べてみると、NPB所属の外国人選手は、スペイン語圏が一番多いことが分かりました。
カナダ人はフランス語も話せる?
余談ですがカナダは英語の他、フランス語の教育に力を入れています。子供の頃に、算数などの授業をフランス語で行いながら身に付ける【フレンチイマ―ジョン教育】を実施し、習得に役立てています。とはいえ、全域で効果を出しているわけでは無く、地域によっては全くフランス語を話せない人も多いらしいです。
ベネズエラ、メキシコ
ベネズエラ、メキシコは公用語としているスペイン語の他、先住民語を話す人もいます。どの選手が該当するのかは分かりませんでしたが、そのようなお国柄があるということが分かっただけでも勉強になりました!!
アメリカは英語を公用語としていない
アメリカに行くために英語を勉強する日本人は多くいます。しかしアメリカは英語を公用語としていません。その為、職種などによっては、英語が通じないコミュニティも存在するようです。移民の国ならではの特徴といえるかも知れません。
ヒーローインタビューで英語が話されているのはなぜ?
しかし、試合後のヒーローインタビューを聴いてみると、スペイン語圏の選手でも英語でインタビューに応えています。何故でしょうか?
球団の通訳事情
ご存じのとおり、プロ野球の球団には英語通訳が常駐しています。しかし英語意外の通訳は別途雇う必要があり、人件費が上がる上に、通訳の確保が難しい面もあります。その為英語が話せる選手には英語の通訳が付くのが通例のようです。ですが、かつてはラミレス(元ヤクルト他)やカブレラ(元西武他)のようにスペイン語の通訳が付くこともありました。
アメリカでのプレー
スペイン語圏内の選手がMLB・マイナーリーグ・米独立リーグ等でプレーし、そこで英語を覚える場合が多いようです。
マイナーリーグで英語の勉強を取り入れている(チームもある)
マイナーリーグや米独立リーグは、世界各国から選手が集まります。そのため英語の勉強を取り入れている球団もあります。それを考えると、マイナーリーグの選手が、どれだけハングリーなのかが分かりますね。
ベネズエラでは、野球と一緒に英語を勉強する(場合がある)
ベネズエラの野球アカデミーでは、英語教育を導入しているところもあり、選手は英語を学ぶ機会があります。政治的・経済的不安定な国でもあるので、MLBを目指し、必死に勉強す
その他
英語・スペイン語・韓国語を勉強した松井祐樹
2024年にパドレスと契約した松井裕樹投手は、英語の他にスペイン語と韓国語を勉強して海を渡りました。「通訳泣かせ」の囲み取材が話題になったこともあります。英語の他にスペイン語も勉強しているとは、松井祐樹の本気度がうかがえます。
かつて、流暢な日本語でヒーローインタビューに応えた選手がいた
後の記事で触れようと思っておりますが、かつてオリックスに【フランシスコ・カラバイヨ】という選手が在籍していました。日本の独立リーグに所属しましたが通訳がおらず、自ら日本語を勉強したとのこと。「てにをは」は別として、とても流暢な日本語でした。
英語力が高いと評判の清宮幸太郎
アメリカ育ちの選手からみても、北海道日本ハムファイターズ所属の清宮幸太郎選手は英語力に優れているとのことでした。逆輸入選手だった加藤豪将選手が清宮の英語に太鼓判を押していました。これは、しっかり勉強している証拠です。彼がMLBに行く日は来るのでしょうか?楽しみです。
その他清宮選手は、台湾の高國輝元選手と仲が良く、台湾で行われた試合では中国語も披露していました。勉強熱心な清宮選手、これからの野球選手の見本となって欲しい一面です。
最近は高学歴の選手も増えましたし、語学学習ツールも有料なものから無料のアプリまで、色々なものが市場に出るようになりました。清宮の他にも語学堪能な選手が多いのではないでしょうか?
やはり語学は大切?
野球選手に限らず、語学はやはり大切なのだと感じます。行動の幅や人脈が広がるのは間違いありません。
野球選手も、あまり通訳に任せきりになると・・・・色々ありますからね(苦笑)。