文武不岐

その他

 

文武不岐とは?

学問と武道は、別物でなく同じ道であり、どちらかに偏ってはいけない。両立すべき」という意味。

※「岐」:行き方が幾筋にも分かれること。 これが「不」という否定形になっているため「道が分かれない」という意味になる。

 

江戸末期に流行した「水戸学」という学問の教え。その時代背景から「学問と武道」となっていますが、現代ではスポーツ全般を指すと考えるのが妥当でしょう。勉強とスポーツは両立が大切、という意味です。今は「サムライの世」ではなく「サムライジャパンの世」なのですから。

 

類似した言葉に「文武両道」があります。同じようで微妙に相違しているのがこの2つ。

文武両道とは「人間には”学問の道”と”武道の道”の、2つの道がある。両方の道をどちらも頑張る」という意味です。

それに対し「文武不岐」とは「学問と武道は違う道ではない、同じ道である。そのため両立が必須」という意味になっています。

どう違うのか微妙な言い回しですが、ここは同じ意味と捉えて問題ないでしょう。大切なのは、勉強と運動がどちらかに偏ってはいけないという意味を認識することです。




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文武不岐のプロ野球選手

この言葉、プロ野球界で考えてみましょう。

よく、プロ野球選手は「子供の頃から野球ばかりしていたから、プロ野球選手になれた」と耳にすることがあります。

しかしプロ野球選手の中には勉強も頑張り、野球も頑張っている選手も少なくありません。プロスポーツ選手が勉強もできる、これぞ文武不岐!!主にどんな選手がいるのか調べてみました。

 

宮台康平

近年の筆頭は、2022年で引退した北海道日本ハム→東京ヤクルトの宮台康平氏ではないでしょうか。

神奈川県の湘南高校という進学校から東京大学に進学、さらにプロ野球選手になった怪物選手。

勉強とスポーツ両方のスペシャリストなのですから、まさに「文武不岐」の筆頭。そして引退した後、宮台選手は弁護士を目指して勉強中とのことです。

元プロ野球選手の弁護士、是非叶えて欲しいものです。

 

寺田光輝

元横浜DeNAの寺田光輝氏は、なんとプロ野球引退後に大学の医学部に進学するという偉業をやってのけました。元NPB選手の医師を目指し、勉学に励んでいることでしょう。

プロ野球選手のセカンドライフとして、医師や弁護士を目指す時代になったのですね。

 

長谷川滋利

オリックス→エンゼルス→マリナーズの長谷川滋利誌氏は、アメリカに行くことを夢見て英語を勉強していました。後に夢を叶えてメジャーリーガーとなり、英語の勉強を活かすことができました。それだけでなく、引退後に英語関係の著書を出版した程、英語が堪能な選手です。

 

島孝明

2017年~2019年まで千葉ロッテに在籍していた島孝明氏。プロ野球引退後に受験勉強を始め、國學院大學に進学しました。セカンドライフのため、勉強する道を選びました。大学で教員免許を取得し、卒業後は慶応大学の大学院に進学したとのことです。将来、どんなビジョンを描いているのか聴いてみたいくらいです。

 

蕭一傑

元阪神・福岡ソフトバンクの蕭一傑(しょう・いっけつ)氏は、台湾出身ながら日本の高校・大学を卒業しました。そのため日本語が堪能です。2018年に台湾で現役引退、2019年に北海道日本ハムに入団した王柏融選手の通訳を務めました。さらに翌年、何と台湾プロ野球界に現役復帰。プロ野球選手になる程の練習を積みながら、外国語をマスターした蕭一傑投手もまた、文武不岐な選手です。

 

 

その他

一般入試で名門大学に入り、プロになった古田敦也と小宮山悟。どちらも球界の頭脳派として活躍しました。優秀な選手が集まる大学野球において、一般入試から這い上がりプロ入りしたのですから、想像を絶する努力があったのは想像に難しくありません。

 

「勉強」が増え、「運動」が減りつつある時代

文武不岐は、スポーツ選手に限ったことではありません。現代社会では、IT・自動車・建設・携帯電話など、様々な業界が急速に進化しています。理系の技術者は、専門知識の他にもPCツールの操作方法・英語・マネジメント技術等、多くのスキルを求められる時代となりました。社会に出ても、日々勉強に迫られます。

もちろん勉強だけでなく、運動も大切。仕事や勉強をするにも体力が必要ですし、適度な運動は脳に刺激を与え、記憶力が良くなるといわれています。反対に、運動不足は病気のリスクを高めることを忘れてはいけません。

特に近年では在宅ワークが普及し、通勤不要の人が増えました。通勤不要となれば当然歩かなくなりますので、運動量が減少します。それでは運動不足になり、身体に良くありません。

せっかく勉強して資格を取ったり技術を習得したりしても、身体を壊してしまっては勿体ない。以前、北海道日本ハムの新庄監督が「ケガしたら一般人だからね」という指導をしていましたが、まさにその通り。一般人だって、ケガや病気をしたら働けません。




ネットオフ

 

時代と共に進化する「文武不岐」

「文武不岐」という言葉は、その時代の学問事情・スポーツ事情、仕事の種類や生活環境によっても意味が変わると考えられます。

現実的には、誰もが勉強とスポーツを極め、両方の玄人を目指せるわけではありません。一部の人以外は不可能です。しかし、仕事だけで運動をしないのも、健康を害することにつながります。

体力や身体能力・必要な運動量に個人差があるのは当然のこと。運動不足も良くありませんが、無理な運動も逆効果。自分に合った運動方法・運動量を模索するのも、また勉強なのかも知れません。

「文武不岐」という言葉は、武士の時代、学問と武道の両立を目指す言葉でした。しかし時代と共に変化しています。「勉強してスキルアップする。そして適度に体を動かし健康を維持する」、これが現代の「文武不岐」ととらえて良いのではないでしょうか?出来る範囲での勉強と運動、バランスよく続けるのが大切だと思われます。

 




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